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静止気象衛星「ひまわり9号」打ち上げ成功:三菱重工業/宇宙航空研究開発機構

(2016年11月2日発表)

 (国)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(株)は11月2日、静止気象衛星「ひまわり9号」をH-ⅡAロケット31号機でJAXAの種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げ、約28分後に正常に分離、予定の軌道に乗せるのに成功した、と発表した。

 「ひまわり9号」は昨年7月から正式に運用されている「ひまわり8号」と共に運輸多目的衛星「ひまわり7号」の後継機となる衛星で、平成34年まで軌道上で待機することになっている。

 「ひまわり8・9号」は前世代機と言える6・7号と比べて、観測機能が大幅に向上された。例えば水平分解能は6・7号が可視1km、赤外4kmだったのに対して、可視0.5-1km、赤外2kmと倍増された。また、チャンネル数も6・7号の白黒1バンド、赤外4バンドの合計5チャンネルから、カラー3バンド、近赤外3バンド、赤外10バンドの合計16チャンネルに増えた。

 そのため、「ひまわり8・9号」では、これまでの白黒画像に対して、カラー合成した画像で観測結果を確認でき、雲や水温、火山灰など、観測したい対象の波長が異なる事を利用して、見たい部分をより目立つよう表示することが出来るようになった。また、これまで30分かかっていた全球観測時間が10分に短縮され、日本付近の高頻度観測は常時2.5分毎に改められ、積雲の急な発達の監視がしやすくなった。