[編集発行] (公財)つくば科学万博記念財団 [協力] 科学技術振興機構(JST)・文科省研究交流センター

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太陽光発電について:国内外の導入状況

(2017年7月15日)

Photo by AIST RCPV - AIST Mega-Solar
https://unit.aist.go.jp/rcpv/ci/resources/MegaSolar/Htmls/
AIST-MEGA-16_06.html

Photos / CC BY-SA 2.1 JP
https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.1/jp/

 「太陽光発電」って知っていますか?お家の屋根に付いていて、「太陽の光から作った電気を使っているよ」と言う人や、通っている学校の屋上にあって、「授業で習ったよ」と言う人もいるかもしれませんね。また、近くの空地に、いつの間にか太陽電池パネルが沢山並んでいることに気づいて、びっくりした人もいるかもしれません。そうです、太陽光発電は太陽の光のエネルギーを電気のエネルギーに変換する発電方式のことで、屋根の上や建物の屋上で太陽光発電システムを見かけたり、近年では野外でも大規模なものを見掛けたりする機会が増えました。

 私の子供の頃(何十年前?)と比べると、太陽光発電システムを見かける機会は本当に増えたと思います。太陽光発電に関する国内の歴史を紐解くと、その技術開発は1970年代に発足したサンシャインプロジェクト等によって進められました。そして、補助事業(1994年度-2005年度)や余剰電力買取制度(2009年-2012年)等により、住宅用太陽光発電システムの導入が先行して進み、2012年から始まった固定価格買取制度(FIT)以降は、野外に見られる大規模な事業用太陽光発電システムが急速に増え始め、現在に至ります。振り返ってみると、私が太陽光発電を見かける機会が増えたのは、このFIT以降からではないかと思います。
 さて、このように太陽光発電の導入が進んだ結果、日本は世界でも有数の太陽光発電導入国となっており、2015年に関する調査によると、日本の累積導入量は中国・ドイツに次いで世界第3位になっています(表1)。現在は、ドイツに代表されるヨーロッパ諸国よりも、日本や中国のアジア諸国・米国の導入率が高く、現在のペースで行けば、日本はドイツを追い越すことになりそうです。ちなみに、2005年までの日本の導入量は長年世界一でした。一方、国内に目を向けると、FIT開始以降の累積導入量は表2のようになっています。国内導入量第一位の茨城県は、大相撲の横綱稀勢の里関の出身県であったり、NHK朝ドラ「ひよっこ」の舞台になっていたりして今注目を集めていますが、太陽光発電に関しても注目すべき県になっています。

 今回は太陽光発電に関する国内外の導入状況を概観しましたが、いかがでしたでしょうか?また機会があれば、今回とは異なる視点で太陽光発電をテーマに記事を書ければと思います。また、7月22日(土)には、太陽光発電研究センターを有する産業技術総合研究所のつくばセンターで一般公開(http://www.aist.go.jp/tsukuba/ja/pr/2017/)が開かれますので、そこで太陽光発電について学ぶのも良いかもしれませんね。この一般公開では、太陽光発電以外の企画もたくさんあり、毎年好評のようですよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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U.M.
つくばエキスポセンターのボランティアインストラクター。つくば市在住。